Matchbox PCは1999年2月に登場し、スタンフォード大教授Vaughan Pratt氏と同教授の博士課程生Greg Defouw氏が作成した。重さはわずか2.5オンス(約70グラム)、サイズは2.8" x 1.8" x 0.8"(7.2cm x 4.6cm x 2cm)で、「これに適したLinuxのサブセットがインストール済み、16MBフラッシュメモリ内蔵ですぐ使用できる」。これはあのMatchboxサーバの後続機種として出されたものだ。Matchboxサーバは、ABC Newsその他の大手TV局の番組で取り上げられた。
小型化技術で成功したPratt氏は、2000年3月、ハンドヘルド・コンピューティング企業Tiqit社を設立した。Tiqitとはいかにもギークっぽいネーミングで、"TIny ubIQuITous Technology"(小型ユビキタス技術)の頭文字をとるのと同時に回文にもなっている。当時は、いまeBayに出されているのと同じ340MBハードディスクのMatchbox PCの価格は1,279ドル(送料、手数料別)だった。Tiqit社ではもうMatchboxは販売しておらず、同社のWebサイトにも出ていない。
Braverman氏は、1999年にMatchbox PCを購入したという。当時、同氏は、TransIT Networks社という電気通信会社のCTOで、会社は携帯電話とPDAの複合機の開発を検討していた。「Matchbox PCを別のハンドヘルド機器の開発用プロトタイプに利用しようと思ったのです。Transit社では、電気通信事業が不安定なので、ほかの分野に進出しようと考えていました」
同氏によると、Transit社は約20万ドルかけてMatchbox PC関連の研究開発を行ったが、「成果はあがらなかった」という。2001年にTransit社は廃業した。一方、Tiqit社の方は現在も事業を継続しており、元のMatchboxテクノロジに基づくハンドヘルドXP PCを販売している。
Braverman氏は、テネシー州の自分の家の棚にMatchboxを何年も放置していたが、「ある日それを見て、懐古趣味からこれをほしがる人もいるに違いないと思った」と話す。同氏はこれを外出先でDSLサービスを介してWebサーバとして使っていたという。「とてもよかったです。ログインして基本的なWebサーバとして使えます。問題なく利用していました」
