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複数ディストロへの対応を迫られるソフトウェアベンダ

2004年09月09日 11:57AM
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Linuxソフトウェアのベンダは、近々、よりどりみどりの選択肢を用意することになりそうだ。これは単なる憶測ではない。Oracleは、SUSEの新オーナーであるNovellとの話し合いの真っ只中だ。この2社がパートナーシップを結べば、Linuxディストリビューションの展望が大きく変わることになるかもしれない。

7月にメルボルンで開催されたOracleWorldカンファレンスで、Oracleの会長Charles Phillipsは、Novellから接触があったことを認めた。Oracleはすでに、商用LinuxディストリビュータのトップRed Hatとパートナー関係にあるが、「もう1種類」のLinuxに対応した製品を実現するべく、新しいパートナー契約締結に向けて動いている。

メリーランド州ベテスダのオープンソースソフトウェア・アプリケーション・ベンダThe Jaxara GroupのCEOであるDaniel K. Boiceanは、「これまで、ベンダは特定のLinuxディストリビューション向けの製品をリリースしてきた。しかし、Oracleのようなベンダは、SUSEやRed HatなどのLinuxディストリビューションが知名度とシェアを伸ばしているのを見て、これを売り上げの増加につなげたいと考えているようだ。知名度と収入の両方を向上させるために、ベンダは今後、さまざまなLinuxディストリビューションとのパートナーシップを結ぶだろう」と語る。

NovellによるSUSEの買収は、Linuxディストリビューションを取り巻く環境にもたらされた、最初の変化といえる。

「SUSEやRed Hatのような企業のビジネスモデルは変わった」とBoiceは言う。「サポートの提供だけで収入を得ていた10年前とは違い、今はディストリビューションのライセンス化により収益を確保しようとしている。これにより、Oracleなどの企業にとってのそれぞれのディストリビューションの魅力が向上している」

IBM、Sun Microsystemsなどの企業は、Linuxのディストリビューションの発展に従い、今後数年間でSUSEのような新しい選択肢を検討するようになるだろう。

アトランタにあるLancopeでセキュリティ・エンジニアを務め、『Linux Routing』(New Riders Publishing刊)のテクニカル・エディタでもあるJoseph Hammは、「今後数年で、われわれに強力なライバルが現れることになるのは間違いない」と語る。

Oracleのようなソフトウェアベンダが現在のような方針を採っているのには、ほかにもビジネス面での理由がある。

さまざまな要因の中でも、Red Hatが一部のソフトウェアのサポートを打ち切ったことは大きな理由となった。「Oracleの動向については何とも言えないが、Lancope(ネットワーク・セキュリティ用の侵入検知ソフトウェアのベンダ)のような企業は、Red Hat OSのサポート打ち切りにより、SUSEに注目するようになっている」とHammは言う。「セキュリティ業界での経験から言って、複数のLinuxディストリビューションのサポートというニーズはベンダにとってますます重要なものになっている」

ただし、彼によれば、これにはそれなりの犠牲が伴うという。「複数のLinuxディストリビューションをサポートすることになれば、開発時間は長くなり、複数のプラットフォームをサポートするためのコストが増加する」という。

しかし、エンドユーザは複数のLinux選択肢を求めているため、ベンダはサポートのコストを負うことになる。

レストラン向けPOSソフトウェアの開発を行うSIVA Corporation(デンバー)は、大規模なレストランチェーンから、Red Hat 7.x、Red Hat 9.x、SUSE、BlueCatという4種類のLinuxにソフトウェアを対応させるよう要請を受けた。

SIVAのCEOJim Melvinは、「このレストラン・グループは、選択したハードウェアベンダによって、事務所のサーバで2つ目のディストリビューションを利用する可能性があった」とNewsForgeに語った。「企業のデータホスティングにもLinuxコンポーネントを使うことになったとしたら、これが3番目ということになる」

EMCが所有するVMWare(ボストン近郊)がNewsForgeに語ったところによると、VMWareの顧客の多くが、やはり複数のLinuxディストリビューションを要求しているという。主な理由はテストのためだが、ハードウェア入手のコストを削減したいという動機もある。

Linuxソフトウェアおよびセキュリティ・アプリケーションの開発を行い、米国国家安全保証局の受託業者であるTrensys Technology(メリーランド州コロンビア)の共同設立者Frank Mayerは、「複数のLinuxディストリビューションをサポートすることは、Windowsの複数のバージョンをサポートするのとほぼ同じだ」と語った。

しかし、一部の業界関係者は、OracleとNovellの交渉に起因するこの展開について慎重な姿勢を見せている。これらのベンダが利用しているディストリビューション・テクニックは「単に一連のファイルをインストールする方法の1つ」だと、Linux Networx(ユタ)のマーケティング担当副社長Brad Rutledgeは言う。「Linux OSの各プロバイダ間で異なるのは、インストール・メカニズム、安定性テストの量、管理ツールだけだ」

Rutledgeは、各顧客のソフトウェアのインストールは、ディストリビューションに関係なくLinux Standard Base(LSB)に準拠しており、Linuxの長所を実現しているということを懸念している。

カリフォルニア州モンロビアを拠点とするJava開発企業ParasoftのCEOであるDr. Adam Kolawaは、複数ディストリビューションのサポートというこの傾向は、Linuxベンダにとってリスクの高いものであると指摘する。

Kolawa told NewsForge「これは危険な傾向だと思う。Linuxベンダはそれぞれ、拡張機能によってほかの製品に差を付けて、製品の価値を向上させようと努力している。これらの拡張機能によってLinuxの各バージョン間の互換性が犠牲になり、これが原因でベンダが複数バージョンに対応しなければならなくなったのだ。これは以前のバージョンのUnixと同じ展開で、よい傾向だとは思えない」

しかし、その他の専門家たちは、このような心配は無用だと考えている。「現在の傾向は、市場で大きなシェアを持つIBM、SUSE、Red Hatといった企業がLinuxの価値を高めている結果だと考えられる」と語るのは、ニューヨーク州ポキプシーのMarist Collegeでコンピュータ・サイエンスおよび数学の学部長を務めるDr. Roger Nortonだ。

複数のLinuxディストリビューションを利用する顧客には、常に技術面での問題が付きまとう。「しかしこれは、アプリケーションでWindows 2000とWindows XPの両方をサポートするのに比べれば、基本的には問題にならない」と、自己回復LinuxのデベロッパNetIntegration(ニューヨーク)のCEO、Ozzy Papicは言う。「誰もが知っているとおり、過去、どのアプリケーションベンダにとってもこれが大きな問題になることはなかった」

IPリスク緩和のためのコンサルティング企業Black Duck(ボストン)のCEOであり、知的財産の専門家であるDoug Levinは、簡単に言えばディストリビューションの市場は自然な成長の道のりをたどっているのであり、すべてのディストリビュータは今後変わっていくことになると述べている。

かつて、Microsoftの世界各国のライセンシングのディレクターを務めたLevinは、「ISV(独立系ソフトウェアベンダ)は、市場が分割されていることと、各ディストリビューションにはさまざまなハードウェア、デバイス、その他のサポートが組み込まれていることから、複数のLinuxディストリビューションを扱わなければならない」と語った。

Gene Koprowski:『The Genius of Imitation: How to Profit by Using Others' Ideas in New Ways. Seven Imitation Strategies That Drive the Success of Marketplace Leaders』(Berrett-Koehler Publishing(bkpub.com)、2005年春刊行予定)の著者。

Gene-J.-Koprowski(2004年9月7日(火))
2007年07月01日 07:05PM 更新

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